HACCP(ハサップ)の導入で得られるもの

現場で発生しうる食品事故を限りなくゼロに抑える為に、HACCP(ハサップ)の手順に沿って、現場の作業工程やそこに潜む食品事故リスクを丁寧に分析し、適切かつ妥当性のある対策を現場の皆さんと一緒に検討して参ります。

HACCPによって進める衛生管理計画は、客観的かつ科学的に効果を証明、担保できる衛生管理手法でないと意味がありません。手を3分洗えば、手はすごく衛生的になっているように感じますが、大切なのは時間ではなく、その中身です。

素人が3時間もかけて部屋を掃除をしてくれるサービスと、プロが1時間かけて掃除をしてくれるサービスが全く同じ料金で受けられるとしたら、どちらを選びますか? という問題と同じです。本当に安心できるのは量や時間ではなく、品質です。

HACCPを導入することによって最も向上するのは、現場の衛生管理意識や、食品の品質ではなく、皆さんの現場で取り組んでいる衛生管理が、有効的かつ効果的であるということを客観的に証明するために必要な、「説得力」のクオリティ(品質)なのです。

それは記録の取り方ひとつをとっても、記録を取る対象物や、取るタイミングや、計測の仕方などによっても、その記録が持つ「説得力」が変わります。仕事のよくできる営業マンと、そうでない営業マンの違いは、その商品が相手にとって有益であるということを伝えられる「説得力」の差ともいえますが、それは品質管理でも同じです。

同じように中心温度を測っているのに、その記録の取り方や、記録を取る目的意識によって、「安心・安全」をPRできる説得力が大きく変わるのです。逆にいえば、ものすごくたくさん記録を取っていて、まじめに品質管理をしていそうなのに、やってる内容ほどの説得力がない現場も存在します。

同業他社を真似た受け売りの対策や、取引先から指摘されてなんとなくやっている対策や、気休めや自己満足的な衛生管理ではなく、その会社、その現場、その商品にとって、合理的かつ効果的かつ説得力のある衛生管理を模索していけるのが、HACCPに取り組んで、衛生管理上のリスクを分析する一番のメリットとなるのです。

現在の規模や状況に応じて、もっとも効果のある形で、HACCPの導入を進めていきましょう。